ある日の朝のこと。
窓越しに見える黒竹の葉の
がさがさという動きと
「ほれほれ、
雨を落とそうか?
それとも……雪を落とそうか?」
と、
重くのし掛かるような雲を広げた
グレーの空に恐れをなし、
もふもふ(写メ参照)の
あったかいセーターを着た、
極端に寒がりのわたしに、
愛する長男太郎ちんが言いました。
「(そのセーター)
カーペットみたいやな」
「……違うよ?」
と、小さく答えました。
どっちかと言うと、
カーペットと言うよりラグだ。
次の翌日。
出掛けに来た
宅急便屋さんへの応対で、
バスの時刻に
遅れそうだったわたし。
ささっとロングコートを羽織り、
首にストールをかけて、
慌てて出掛けようとしたその時、
太郎ちんがわたしの方を見て
言いました。
「(その服装、)
元貴○花みたいやな」
「……違うよ?」
また小さく答えた時、
兄の真横でテレビを見ていた、
これまた愛する次男の次郎ちんが、
くくくくくくっと笑って
言いました。
「理事選、落ちたん?」
「違うよ?
母、相撲協会に入ってないもん」
真面目な顔で答えました。

「うぎゃあ……。
バス……間に合わないかも?」
玄関でブーツのファスナーを
上げながら、
「Tバックって、
まわしみたいだな」
「ある意味、土俵入りはするけど」
手は慌てながらも、
そんなことを悠長に
思っておりましたら、
「おかーん。
駅まで送ったるわ。
車に乗っとき。」
居間の方から、
太郎ちんの声がしました。
息子たちのことは
「可愛がり」たくてしょうがない、
さえなのでした。

今日も土俵入りです((o( ̄ー ̄)o))